Beef CREATOR

2023.11.21
ビーフトレンドジャーナル

ステーキと焙煎カレー ふらんす亭|考案者から直接伝授された“正統派”のレモンステーキ、守り継がれる伝統の味と代表の想いに迫る

1979年 、東京 下北沢のビル地下で開業。現在では関東圏を中心に名古屋にも店舗を構え、長年幅広い世代の方から愛され続けている「ステーキと焙煎カレー ふらんす亭」。レモンステーキやカレーライス、カットステーキ、ハンバーグなどを提供しており、“チェーン店でありながら、個人店の温かさをもつお店でありたい”という想いを掲げ、どこか懐かしい温かみのある味と居心地の良い空間で人々を虜にしている。看板メニューは、長崎・佐世保 正統派の「名物!レモンステーキ」。

名物レモンステーキ

熱々の鉄板に乗せられた少しレアな状態のお肉を、お客様自身でひっくり返して両面を焼き上げ、ソースの沸騰が落ち着き少し煮詰まると“旨甘”なさっぱりとしたレモンステーキが完成する。常連客の中には、鉄板にご飯も乗せてソースと絡め、“旨甘”な美味しさを余すことなく堪能する方もいるそうだ。

旨甘レモンステーキ

ステーキと焙煎カレー ふらんす亭のレモンステーキは、考案者である東島料理長から直接伝授された伝統的な味で、創業以来40年以上続くブレのない“正統派”と言えるレモンステーキだ。実は店名も、その伝統的な味と共に引き継がれてきた。

「ふらんす亭」という店名は、ステーキと焙煎カレー ふらんす亭の創業者である株式会社ふらんす亭 代表 松尾 満治氏が修行した長崎県佐世保市の高級レストランから継承したものであり、松尾社長の強い想いが込められている。

そのレストランは、松尾社長が外食の道を志す契機となった店であり、一種の理想となるお店の姿でもあった。松尾社長はかつて、高級料理店に誤って入店し、カレーライスしか注文しなかったにも関わらず、その店では温かく歓迎され、完璧な料理とサービスでもてなされた経験から強い感銘を受けた。「ふらんす亭」という店名は、その名に恥じない店にするという志の象徴でもあり、お客様に喜んでいただきたいという決意の象徴でもあるのだ。

今回は、「ステーキと焙煎カレー ふらんす亭」が長年幅広い世代の方から支持され続ける秘訣について、松尾社長に話を伺うことができた。

創業から40年以上、伝統的な味を守り続けるふらんす亭の歴史

Q.1979年に開業され現在に至るまで、約40年以上にも渡り幅広い世代のお客様から支持され続けている「ふらんす亭」ですが、成功のポイントはどこにあるのでしょうか?

A.ふらんす亭は、事業としては決して成功しているとは言い難いと思っています。ただ、⾧期間続けてこられたのは事実です。その理由としては、創業時の価値(味やサービス)を出来る限り守り続けてきた事と、従業員たちがそれを願い続けてきてくれた事だと思います。

Q.なぜそのような方針・お考えに至ったのですか?

A.人間の好みや価値観は多種多様だと思っています。その中で、ふらんす亭が提供出来る価値(味やサービス)を常に一定のレベルに保っていないと、その価値が風化してしまうと考えます。したがって、我々のスタンスはその価値を普遍的なものにしていく事です。

Q.ご利用されるシーンや、お客様からのお声についてお聞かせください。

A.ふらんす亭を継続的にご利用いただくお客様は、おそらくふらんす亭のカレーがお好きな方だと思います。お肉のメニューには分かりやすい価値がありますが、カレーは一旦気に入ると癖になり「ああ、またあれを食べたい」というお声を多くいただいております。また、当店の名物として「レモンステーキ」がありますが、本格的なレモンステーキを食べられる店は、九州以外ではふらんす亭しかありませんので、こちらも熱狂的なファンがおられます。

カレー

ヒットメニューとの訣別、選択と集中が功を奏したブレイクの軌道

Q.現在に至るまでの、ご苦労や失敗談、エピソードについてお聞かせください。

A.ふらんす亭は創業時、カレーとグラタンの専門店としてスタートしました。ある日グラタンが大ヒットし、開店前から行列が出来る状態になったのですが、グラタンの場合、提供にとても時間がかかる上に、食べるのにも時間がかかるので、お客様の回転が著しく遅くなり、開店から閉店まで満席なのに、売上目標に届かないという日が続きました。

Q.どのように課題を突破されたのですか?

A.その時に、ヒットしていたグラタンを思い切って諦めることにし、より多くの人が求めているものがステーキだと考えて、ふらんす亭をステーキとカレーの店に切り替えたのが、お店としてブレイクしたきっかけになりました。

〜今後の展望〜

Q.今後の展望や目標についてお聞かせください。

A.空腹を満たすためであれば、コンビニやファーストフードで満たせる時代です。
そのような状況下で生み出せる飲食店の価値は、人が作り、サービスを提供することだと考えています。
したがって、人でなければ創り出せない価値(品質、サービス)を追求し、クオリティーの高い商品を安定的に多店舗で提供できるように努めてまいります。
そして、支えとなる人的な能力を養成することに力を注ぎ、それによって従業者たちが、誇りを持ち、豊かな人生を過ごせる会社にしていきたいと考えています。

ステーキと焙煎カレー ふらんす亭

公式HP:https://www.francetei.com/

文章/渡辺恵伶奈(Beef CREATOR 編集部) 取材/狭川元秀(Beef CREATOR 編集部)構成/毛利努(MORRIS STRATEGY & DESIGN CONSULTS,LLC.