Beef CREATOR

2023.11.06
ビーフトレンドジャーナル

アウトバック・ステーキハウス|アメリカ最大級、日本独自の”おもてなしマインド”を取り入れた、世界中で愛され続ける老舗ステーキハウスの秘訣に迫る

世界23ヵ国、世界中で愛され続けているアメリカ最大級のステーキハウスチェーン「アウトバック・ステーキハウス」は、ホームメイドの美味しさが味わえるカジュアルダイニングレストラン。ハイクオリティな味とボリュームのある料理が、リーズナブルな価格で楽しめると高い人気を誇り、日本国内でも関東を中心に9店舗を展開している。

「アウトバック・ステーキハウス」の特徴は、海外さながらの満足感たっぷりのボリュームと質の高い肉厚ステーキ。アメリカンスタイルの豪快なステーキは、塊肉を店でカットしてお好みの焼き加減で提供している。

その他にも、アウトバック名物のジャンボサイズの特製フライドオニオン「ブルーミン・オニオン」など、本場の味とボリュームが楽しめる。

特に人気のメニューは、「ベビーバック・リブ」だ。脂身の少ないフランス産のポークリブに自家製のBBQソースをかけ、骨から簡単にほぐれる柔らかい肉を堪能することができる。

また、アウトバック・ステーキは美味しさの鍵でもある「ホームメイド」に強いこだわりを持っており、サラダのドレッシングやクルトン、ステーキのソース、さらにはデザートのチョコレートソースまで全て店内で手作りしているという。

日本にいながら、まるで海外へトリップした様な気分を味わえる、そしてダイナミックでバラエティーに富んだ本場さながらの料理を楽しめる「アウトバック・ステーキハウス」は日本人のお客様の客足はもちろん、どの店舗も駐在や旅行で訪れている外国人のお客様の数がとても目立つ。グローバルブランド「アウトバック・ステーキハウス」のネームバリューと日本における再現性のこだわり、そしてサービスの巧みさが、このレストランの人気を支える強さなのだ。

渋谷店

今回は、「アウトバック・ステーキハウス」の人気の秘訣について、代表取締役社長の伊丹俊彦氏に話を伺った。

1988年誕生、世界中で愛され続けるアメリカ人気No.1ステーキハウスの秘訣

Q.アメリカで人気No.1ステーキハウスのアウトバック・ステーキハウスが、日本でも支持されるポイントはどこにあるのでしょうか?

A.3点あります。一つ目は、食材と手作りにこだわる料理への真剣な取り組みを続けてきたこと、二つ目は、非日常の世界観を大切にした空間演出、三つ目は、アメリカのフレンドリーなサービスに日本独自の“おもてなし”のマインドを融合させて、お客様ひとりひとりに寄りそった接客を心がけていることだと思います。

Q.なぜそのような方針・お考えに至ったのですか?

A. 長くたくさんの人たちから愛され続けるレストランは、押しなべて、創業者のスピリットを大切にして当初のコンセプトから逸脱していないお店です。レストランはエンターテインメントの場であるべきところで、それにふさわしい舞台を整えることが、非常に大事な要素であると考えております。

米国創業者

Q.ご来店されるお客様の層や、利用シーン、お客様からのお声についてお聞かせください。

A.近隣のご家族やビジネスパーソン、日本在住の外国人の方や観光で来られた海外のお客様など、幅広い層の方々にご来店いただいています。誕生日や記念日のお祝い、大人数でのパーティなどご利用シーンも様々です。お客様からお礼のメールを頂くことがあるのですが、サプライズの誕生日祝いの演出をお手伝いさせていただいたところ、相手にとても喜んでもらえた、お子様が飽きないように塗り絵をお持ちしたり話しかけたりしたところ、親御様がゆっくり食事ができた、会話の中から結婚記念日と察してお祝いのデザートをお出ししたところ、とってもビックリして嬉しかった、などとても嬉しいお声を頂いております。

アウトバックの挑戦と成功、鍵となった「品質・人材育成」

Q.現在に至るまでの、ご苦労や失敗談、エピソードについてお聞かせください。

A.12~15年くらい前でしょうか、アウトバックは時々のブームに合わせて、元々のコンセプトとは違うボリュームやメニューを創って提供しましたが、社内のみならず、お客様にも混乱を招いてしまい、失敗に終わりました。サービスの面では、創業当初から個性豊かなスタッフが多く、個人の力量に頼ってしまい、そのスタッフが抜けてしまうとサービスレベルが低下してしまいました。近年では、スタッフの主力の学生の基礎力や常識や考え方の違いから、以前に比べてトレーニングに要する時間が長くなってきています。また、せっかく採用をしたのに、トレーニングの途中で辞めてしまう人も多くいることは、とても残念なことです。

Q.どのように課題を突破されたのですか?

A. 12~13年前のファンドの傘下にあった時代に、利益を出すために食材の質を下げてコストダウンを図ったところ、客離れの結果を生んでしまいました。そこで、食材をもとに戻すとともに、その後は食材の質は下げず、コストが上がった分は、メニュー価格に反映させて、品質の良いものを適正価格で提供していく方針にしました。アウトバックには、世界共通の「主義と信念」という行動指針があります。しかし、日本法人としての目指す指標がありませんでした。そこで、会社のミッションとビジョンを新たに創り、行動指針と共にスタッフへの浸透を図っています。5年前からは、社員、アルバイト関係なく参加できる一流のコンサルタントによる毎月の研修会を開いています。メンバー自らが環境整備、接客力の向上、人材育成などの行動計画を立て、その実践と成功事例を共有することで、店舗の総合力とメンバー個人の資質が確実に上がりました。この研修の目的は、実務面の向上のみならず、各人の人間力を上げて、より良い人生を歩んで欲しいと願っているものでもあります。人としての「生き方やあり方」の講義は、人生に対する貴重な学びの場になっており、このプログラムの存在は、人材確保の一助となっています。

〜今後の展望〜

Q.今後の展望や目標についてお聞かせください。

A.世の中の飲食店は、今後ますます省力化、省人化の波が加速していくと思います。飲食はエンターテイメントであり、エネルギーチャージをするところであるのが本来の姿だと思います。私たちは、省力化、省人化の対極を進み、お客様もスタッフも、「人間って素晴らしい」、「人とのふれあいがとても大切だ」「飲食店は人を元気にする存在だ!」と感じてもらえるレストランであり続けたいと思っています。

アウトバック・ステーキハウス

公式HP:https://www.outbacksteakhouse.co.jp/

文章/渡辺恵伶奈(Beef CREATOR 編集部) 取材/狭川元秀(Beef CREATOR 編集部)構成/毛利努(MORRIS STRATEGY & DESIGN CONSULTS,LLC.