Beef CREATOR

2024.07.03
ビーフトレンドジャーナル

バッカーナ デマイス|日本初のシュラスカリアから誕生した、本格的なブラジルのシュラスコ体験ができるレストランの魅力に迫る

1991年、東京・渋谷で日本初のシュラスカリア(シュラスコを提供するレストラン)として「BACANA」がオープン。同店は、まだ赤身肉が日本で市民権を得ていなかった時代に「肉の魂をそのまま、お客様に喜んで頂けるお店」として、本場ブラジルと同様のスタイルを再現した。音楽やサンバショーを行うシュラスカリアは同店のオリジナル。大きな肉の塊をテーブルで切り落としてサーブし、音楽やダンスを取り入れたバッカーナ・スタイルは、幅広い世代に支持され、シュラスコのパイオニアとして認知されるようになっていった。その創業精神を引き継ぎ、銀座に誕生したお店が「バッカーナ デマイス」だ。

シュラスコとは、牛や豚などの大きな肉の塊を鉄串に刺し、炭火でじっくりと焼き上げるブラジルの代表的な料理のこと。焼き上げた肉を客席に運び、お客の目の前で希望の量を切り分けるスタイルが特徴。

バッカーナ デマイスでは本場のシュラスコはもちろん、キッチンのシェフやホールスタッフなども経験豊富なスタッフを招聘している。また、日本人の口に合うように、ブラジルで実際に親しまれているソウルフードやデザート、ドリンクなどを一部アレンジして提供している。

同店では千葉県の契約農家で肥育した同店オリジナルの「サンバ牛」と九州産黒毛和牛を使用しているが、ウルグアイ産牛肉の輸入再解禁が開始されると、いち早く「ウルグアイ産ビーフ」の導入を決定。繊細で柔らかく、肉本来の旨みや香りがありながら、低脂肪で低カロリーだと高評価を得て、本場南米産の牛肉として仲間入りを果たした。

肉の部位ごとに調理法を変え、定番のピッカーニャ(イチボ)、アルカトラ(ランプ)、クッピン(コブ肉)から、希少部位のパレッタ(ミスジ)まで、部位に応じた切り方でカットを行う。ブラジル最新式のシュラスカリアを再現し、シュラスコマシン、グリル、オーブンの3つの焼き方を駆使して、肉の部位に合わせた火入れを行い、最高の状態でお客様に召し上がっていただく。

賑やかに楽しむイメージが強いシュラスコだが、同店では都会で働く方々の食スタイルに合わせ、一人でもシュラスコを楽しめるようカウンター席を用意。一人では入りづらいというシュラスカリアの常識を覆し、幅広い層のお客様から支持されている。

今回は、「バッカーナ デマイス」の人気の秘訣について、バッカーナ株式会社 会長 佐藤氏に話を伺った。

食事そのものがエンターテイメント、目の前で繰り広げられるサーブパフォーマンス

Q.ライブ感満載のシュラスコが楽しめると人気を誇っていますが、成功のポイントはどこにあるのでしょうか?

A.まず、大きな肉の塊を目の前で切り分けるという非日常性が挙げられます。お客様の目の前で行われるこのパフォーマンスは、臨場感とライブ感を提供し、食事そのものがエンターテインメントです。さらに、ジュージューと焼ける肉の音や香ばしい香りなどのシズル感が、五感を刺激し、一層の満足感を与えます。これらの要素が組み合わさることで、シュラスコは単なる食事を超えた特別な体験として、多くの人々に愛されているではないかと思います。

Q.なぜそのような方針・お考えに至ったのですか?

A.日本にはなかったタイプの、料理の楽しさが感じられるレストランを作りたいと考えました。お客様に非日常的な体験を楽しんでもらいたいという思いから、1991年5月に、新しい食体験を提供できるシュラスコスタイルのレストラン「BACANA」をオープンいたしました。

Q.ご来店されるお客様の層や、利用シーン、お客様からのお声についてお聞かせください。

A.ご来店されるお客様の層は、家族連れや友人同士のグループが多く見られます。ブラジルの楽しさや、大きな肉の塊を目の前で切り分けるライブ感が好評で、食べ放題という点も多くのお客様にとって大きな魅力となっています。お客様からは、「家族で楽しい時間を過ごせた」「友人と一緒に賑やかに食事を楽しめた」という、喜びのお声をいただいております。

シュラスコブームで競争激化、パイオニア的存在として差別化を図る

Q.現在に至るまでの、ご苦労や失敗談、エピソードについてお聞かせください。

A.シュラスコが大ブームになったため、数多くのライバルが出現しました。この競争激化により、私たちもさまざまな苦労を経験しました。

Q.どのように課題を突破されたのですか?

A.課題を突破するために、私たちは本物を目指すことに注力しました。その一環として、スタッフのほとんどをブラジル人で構成し、本場の味やサービスを提供することに努めました。これにより、お客様に本格的なブラジルのシュラスコ体験を楽しんでいただけるようになり、他店との差別化を図ることに成功しました。スタッフの文化背景を活かしたサービスや、現地のレシピを忠実に再現することで、お客様の信頼と支持を得ることができました。

〜今後の展望〜

Q.今後の展望や目標についてお聞かせください。

A.今後の展望としては、日本のシュラスコのパイオニアとして、本物の料理を提供し続けることに加え、更に進化した業態に変化し続けたいと考えています。私たちは常にお客様に新しい体験を提供することを目指し、メニューの改良やサービスの向上に努め、これからもお客様に愛される店づくりを続けてきます。

バッカーナ デマイス

公式HP:https://bacana-ginza.com/shop/ginza01/

文章/渡辺恵伶奈(Beef CREATOR 編集部) 取材/狭川元秀(Beef CREATOR 編集部)構成/毛利努(MORRIS STRATEGY & DESIGN CONSULTS,LLC.