Beef CREATOR

2024.09.26
ビーフトレンドジャーナル

お肉屋さんのひとり焼肉|創業60年の精肉店が展開する、高鮮度の肉が味わえる“あたらしい形”の焼肉店に迫る

創業から60年の食肉小売チェーン「ダイリキ」が展開する、「お肉屋さんのひとり焼肉」。一つの店内に精肉の小売店とひとり焼肉レストランが併設されており、肉屋ならではのホルモンも充実。「買う」と「食べる」の両方から、肉の本当の美味しさをお手頃価格で味わい尽くすことができる、あたらしい形の店舗だ。

提供される肉は、セントラルキッチンではなく、すべて店内でカットを行う。お客様に、“切りたて”で鮮度の高い状態の肉をお楽しみいただくために、創業から60年にわたって磨かれた技を受け継いだ、高い技術を持つプロが毎日一つ一つ丁寧にカットを施している。

カットの仕方によって、食べやすさや食感が変化するため、肉の種類や部位によって1mm単位で厚みを変えてカットしたり、柔らかみを出すためにスリットを入れたりして、肉の美味しさを最大限に引き出しているのだ。

また、カット技術に強いこだわりを持つダイリキでは、社歴30年以上のベテラン技術トレーナーが、店舗社員にカット研修を行い、包丁の研ぎ方からカットの仕方、盛り付け方まで、60年にわたり蓄積された独自のノウハウを常に受け継いでいる。さらに、年に1度実施される「技能検定」を通じて、社員たちはお互いに競い合いながら日々技術を向上させている。

店内は、おひとりさまでもリラックスして過ごせるように、スタイリッシュで洗練された空間を追求。各席には一台ずつ無煙ロースターが設置されており、快適に焼肉を楽しむことができる。また、パーテーションで一席ずつ仕切られているため、周囲を気にすることなく、食事に集中できるのも嬉しいポイントだ。

定番メニューは「カルビ定食」。120g、150g、200g、250gと4つの量から選択が可能。ごはん・スープ・キムチも付いて、1,180円(税抜)〜1,980円(税抜)と破格の価格設定だ。

「上ハラミ&ダイリキカルビ定食」も人気メニューの一つ。お値段は1,980円(税抜)。適度に脂を含んだコクのある上ハラミと、スリットを入れて肉の美味しさを最大限に引き出した、厚みのあるカルビを味わうことができる。

その他にも、すき焼きの様に卵を付けていただく「焼きすきカルビ&上ハラミ定食」や、贅沢な「肉屋の8種盛定食」など、バリエーション豊かなメニューが揃っている。

定食メニューだけでなく、単品メニューの用意もあるので、ニーズに合わせてさまざまな楽しみ方ができるのも魅力の一つだ。

今回は、「お肉屋さんのひとり焼肉」の人気の秘訣について、ダイリキ株式会社 営業本部長 森川氏に話を伺った。

“肉のプロ”ならではの信頼感と安心感

Q.一つの店内に精肉の小売店とひとり焼肉レストランが併設された新しい形の店舗ですが、成功のポイントはどこにあるのでしょうか?

A.弊社の既存店は精肉の中でも焼肉に強みがあり、お客様にもご好評を頂いておりました。他社ではあまり実施していない「味付無料サービス」は、ご家庭でレストランの味を楽しむことができるため、特に味のファンになってくださるお客様が増えていったと思います。
美味しいとご好評を頂いておりますが、残念ながら小売ではお客様の表情までは見ることができません。よりお客様に近づき、美味しいと言ってくださる笑顔を見るためには、レストランをやるしかないと考えました。

Q.なぜそのような方針・お考えに至ったのですか?

A.今後の出店戦略を検討する中で、精肉店だけでは経営が難しいと感じていました。さらなる集客の要素が必要だったため、精肉のなかでも特にご好評をいただいていた焼肉用のお肉を活かし、レストランを併設することを決定しました。これにより、レストランで満足していただいた次は精肉店でお肉を購入していただけるといった流れを作り出し、相乗効果を期待していました。

Q.ご来店されるお客様の層や、利用シーン、お客様からのお声についてお聞かせください。

A.お一人でご来店されるお客様も多いのですが、ショッピングセンター内に出店している店舗だとご夫婦などお二人でご来店されるお客様も多い印象です。
また、利用シーンは定食をメインにしているため、ランチの売上が高く、手軽に定食屋さんの感覚でご利用していただいているように感じています。
お客様からは、味も美味しく値段も高くないと、ご好評を頂いています。なによりも精肉店が運営しているレストランということで、味に対する信頼感・安心感を感じていただけております。

接客スキルの向上、キーとなったのは「気づきメモ」

Q.現在に至るまでの、ご苦労や失敗談、エピソードについてお聞かせください。

A.これまでは精肉店のみを経営してきたため、レストランとしての接客スキルを身につけるのに苦労しました。焼肉レストランを展開しているグループ会社の「ワン・ダイニング」からは、そのノウハウを教えていただいたり、店舗研修をしていただいたりと、協力していただきました。精肉の対面販売とレストランでの接客は、異なるスキルが必要であり、お客様への気配りや気づきがより重要だと感じました。お客様をよく観察し、対応する必要があり、苦労も多かったです。

Q.どのように課題を突破されたのですか?

A.ワン・ダイニングで実施されていた「気づきメモ」を導入しました。この取り組みでは、お客様に関する気づきや、アルバイトの優れた点など、気づいたことを書き出して掲示し、それに対して他社員が感想などを記入する仕組みです。気づきメモを掲示することで、お客様に喜んでいただく方法について相談したり、「○○さんの接客が素晴らしかった」「お客様がこういう時にはこうすれば喜ばれる」といった具体的な事例を共有することで、接客力の向上や課題の解決につながっています。

〜今後の展望〜

Q.今後の展望や目標についてお聞かせください。

A.より多くのお客様にご来店していただきたいです。どのお店も同じかと思いますが、味には自信があり、多くの方々に美味しいお肉を味わっていただきたいと願っています。お客様からの「美味しかったですよ、また来ますね」という言葉がたくさん聞ける店舗を増やしていきたいと思います。

お肉屋さんのひとり焼肉

公式HP:http://www.dairiki.co.jp/hitoriyakiniku/

文章/渡辺恵伶奈(Beef CREATOR 編集部) 取材/狭川元秀(Beef CREATOR 編集部)構成/毛利努(MORRIS STRATEGY & DESIGN CONSULTS,LLC.