ステーキハウス・テキサス|創業45年突破、時代を超えて愛される老舗ステーキ店の地域密着型経営のあり方とは?
創業から約45年、地元の方々に愛され続ける老舗ステーキハウス「ステーキハウス・テキサス」は、“肉を愉しむ”をテーマに、昔ながらの変わらない味を提供し続けている。1978年(昭和53年)、その時代ではまだ珍しい“ステーキ専門店”としてオープン。時代の流れと共に、世の中が発展する一方で、ステーキハウス・テキサスは創業時から変わらぬ味を守り続けた。現在でも、どこか懐かしい昔ながらの味を堪能できる老舗ステーキ店として、幅広い層から長年愛され続けている。
同店の店長 大橋 和夫氏は、その変わらぬ味を守り続けてきた第一人者だ。1999年からステーキハウス・テキサスの味を引き継ぎ、“ステーキ一筋”の料理人である店長を目当てに来店する長年のファンも多くいる。
ステーキ肉には、赤身の旨味と脂の甘みにこだわった厳選素材を使用。肉質・味・価格とバランスの良い、上質なロースを使用した看板メニュー「テキサスステーキ」200gを、ライス、サラダ、ワンドリンク付きで2,460円(税込)※という破格で提供している。
※11:30~15:30のランチタイム時は、2,460円。ディナー時は2,740円。
ステーキの上には、テキサス流の特徴であるガーリックバターが乗っており、ジューシーなお肉との相性は抜群。さらに卓上には肉の旨味と脂の甘みを最大限に引き出す、創業当時から続く「ニンニク入りオリジナルステーキ醤油」も用意されており、食欲を引き出す香ばしい香りと、肉の旨味を存分に味わうことができる。
他にも、粗挽き肉の食感を楽しめるハンバーグや、こだわりのハラミを使用したぶつ切りのカウボーイステーキ、好みに合わせて選べるトリプルコンビなど、バリエーション豊富な肉料理を堪能できる。
今回は、長年愛され続ける「ステーキハウス・テキサス」の秘訣について、有限会社テキサスむさし関 代表の清水 孝司氏に話を伺った。
創業から約45年、地域と共に歩み続ける老舗ステーキ店
Q.幅広い世代のお客様から支持されている「ステーキハウス・テキサス」ですが、長年愛され続けるポイントはどこにあるのでしょうか?
A.ステーキハウス・テキサスが長年愛され続けるポイントは、昔ながらの味、人の温かさ、居心地のよい空間、そしてコストパフォーマンスの良さにあると思います。創業から約45年間続く昔ながらの変わらぬ味は、古くから通ってくださっている常連のお客様はもちろんのこと、初めてお越しいただいたお客様からも、昔懐かしい“青春の味”がするとご好評をいただいております。
人気メニューの「ハラミステーキ」は175g 950円(税込)で提供しており、圧倒的なコストパフォーマンスの良さも、魅力の一つです。
Q.なぜそのような方針・お考えに至ったのですか?
A.ステーキハウス・テキサスでは、お客様に居心地の良い空間を堪能していただくことをなによりも大切にしており、“人の温かさ”と“昔ながらの変わらぬ味”には強いこだわりを持っています。私自身、大手外食チェーンに10年ほど勤めていた際、人の温かさの重要性を学びました。当時のお店では、アルバイトスタッフを多く雇用していたのですが、同じチェーン店でも、スタッフ次第で雰囲気やお客様のリピート率、表情までもが異なることに一驚しました。「居心地の良い空間=人の温かさ」であり、お客様・お店に対する情熱の先に真の接客があると考えておりますので、社員・アルバイトともに、一人ひとりが自分のお店であるという目線を持って業務に取り組める環境作りを重視しています。
Q.ご来店されるお客様の層や、利用シーン、お客様からのお声についてお聞かせください。
A.30代〜40代の女性をターゲットにしています。お一人様でも入りやすい落ち着いた空間ですので、比較的幅広い層のお客様にご利用していただいています。普段ご利用されている女性のお客様が、お子様を連れてご来店され、その娘さんが今度はお孫さんを連れてきてくださったり、、、。
学生時代に通ってくださっていた方が、「数十年ぶりに近くに寄ったので、懐かしい味を楽しみにきました!」と仰ってくださったりと、お店としてお客様とともに人生を歩めていることに感銘を受けました。
わざわざ当店に足を運んでくださるお客様に対して、どのようなサービスをご提供できるか、どのようなことをお求めかを常に考え、効率重視でなく、お客様との触れ合いを大切にしています。長年継続してお店を続けているというだけでなく、ご来店されるお客様の動向を把握し、地域の皆様に親しんでいただけるよう密着しているので、地元の方に愛され続けていただけることはなによりも嬉しいです。
困難を乗り越えた経験を糧に、時代の波に飲みこまれない店舗を目指す
Q.約45年続く老舗ステーキ店ですが、現在に至るまでの、ご苦労や失敗談、エピソードについてお聞かせください。
A.1番の大打撃は、2020年に起きたコロナウイルスの影響でした。
予想外の出来事で、コロナ禍は売り上げも来店客数も三分の一ほどに減少し、当時は本当に苦しかったです。
Q.どのように課題を突破されたのですか?
A.緊急事態宣言が出されるなど、誰もが予測不能な事態だったので、とにかく耐え続けました。コロナ禍の2020年は大幅に値下げを行うなど、少しでもお客様にお越しいただけるようできる限りの努力をして対応してきました。
コロナウイルスによる打撃や、世界マーケットの影響など、これまでに直面してきた課題を踏まえ、今後も外部要因の影響にも立ち回れる対策を講じ、いかなる状況でもお客様に最高のサービスをできるよう一層の努力を重ねてまいります。
〜今後の展望〜
Q.今後の展望や目標についてお聞かせください。
A.今後は店舗数を増やしていきたいと思っています。外部要因の影響を受けにくい店舗にするために、お肉を柱とする店舗だけでなくドミナント戦略に重きを置き、デリバリーなどにも力を入れて新しい業態に挑戦したいです。時代の変化とともに、飲食業界ではコスト削減や効率を重視する目線からデジタル化、ロボットを導入するお店が増え続けておりますが、温もりや心地よい空間を生み出すのは「人」であると考えています。お客様との大切な接点でもありますので、より豊かなスタッフの育成も励んでいきたいと思います。時代の波に飲みこまれずに、初志貫徹の気持ちを持ちながら、お客様に居心地の良い空間とサービスを提供できるお店を築いていけるよう努めてまいります。
TEXAS since 1978
公式HP:https://texas1978.com/index.html
文章/渡辺恵伶奈(Beef CREATOR 編集部) 取材/狭川元秀(Beef CREATOR 編集部)構成/毛利努(MORRIS STRATEGY & DESIGN CONSULTS,LLC.)